3776(みななろ)および石田ワールド探求の旅 その2

その1(http://d.hatena.ne.jp/absolute_empty/20150923/1442987298)の続きです。

石田氏が選曲した、渡辺満里奈 / トロピカル・ジュース を含むアルバム。

USTREAMでも話が出たが、このアルバムは全曲、山川恵津子編曲。

「マリーナの夏」も名曲。作曲 岸正之、 編曲 山川恵津子、 作詞 秋元康

その他、いかにも鈴木さえ子さんらしい「鏡の国の I Love You」、見事なScritti Politti歌謡「夏休みだけのサイドシート」など佳曲が詰まった良いアルバム。

鈴木さえ子さんと言えば、XTCに加入を要請されたこともあり、石田ワールドにXTCを強く感じる私しては、気になるところではあったが、さえ子さん自身の曲は全然XTCっぽくはない。

XTCサウンドの特徴は、Jazz由来の複雑なテンションコード・転調を使いつつ、ニューウェイヴらしい切れのいいリズムをベースに、ギター中心でポップに落とし込んでいるところだと思っている。

山川さんの曲も、黒人音楽、フュージョンAOR由来でコードや転調が複雑。特に間奏に特徴があり、どの曲も捻りが効いていてカッコいい。3776の曲の間奏も同じように感じることが多い。

そういう石田さんのコードワークは山川さんの影響じゃないだろうか。

そこに、U2由来の切れの良いギターのカッティング・リズムが融合されて、結果としてXTCっぽく聴こえるのではないだろうか。たとえ、石田さん自身がXTCをあまり聴いていないとしても。

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夢カタログ+シングルコレクション

夢カタログ+シングルコレクション

その1で紹介した「アンブレラ・エンジェル」収録のアルバム。
他の収録曲「シーサイド・セッション」(内海和子メイン、作曲 西崎憲、編曲 山川恵津子、作詞 秋元康)メロウなシティポップ。素晴らしい。

「LINDA」(福永恵規メイン、作曲 高橋研、編曲 山川恵津子、作詞 秋元康
Jam & Lewisか?Michael Jacksonか?当時のブラコン最先端だと思うが、今聴いてもカッコいい。こんなのがEspeciaの新曲で来たら狂喜すると思う。

ちなみに、上記3曲のおニャン子クラブ曲は、どれもシングルではなくアルバム曲。そりゃ知られてない訳だ。

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マリ・ウィルソンのアルバム

ショウ・ピープル

ショウ・ピープル

トットの傑作アルバム。

プレイタイム(紙ジャケット仕様)

プレイタイム(紙ジャケット仕様)

コンパクト・オーガニゼーションのコンピレーション・アルバム。

"Young Person's Guide to"というとKing Crimsonを思い出してしまう(笑)。USTREAMでもちょっと話が出てきたが、石田氏のクリムゾン話はもう少し掘り下げて行きたいところ。

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ラブレター

ラブレター

言うまでもないが、今回探求したのは、広大で深い石田ワールドのほんの一部にしか過ぎない。掘り下げていない未知の洞窟がまだまだ残っている。

ひとつだけ述べると、山川さんはソロでやろうとは思わない、完全に裏方指向の方だ。石田氏も自分のソロではなく、人に合せて楽曲を作っているという意味で共通するものがある。お二人とも自分自身がフロントに立たないことによって、かえって自分の独自の世界を表現できているように思える。

最後に、残念ながら今回音源は入手できなかったのだが、USTREAMでアライ氏が山川恵津子繋がりで選曲した名曲を貼っておきます。
志賀麻里子 / フリージアの少年 (作曲:山川恵津子 編曲:山川恵津子 作詞:麻生圭子