「アイドル周回遅れ」とは?
12/7リリース予定、Aira Mitsuki×Saori@destinyのアルバム『×〜PARK OF THE SAFARI』のキャッチコピー「アイドル周回遅れ」はCDの帯にも表示されているそうです。最初この言葉を読んだときに思いついたのは、アイドル戦国時代に乗り遅れたという意味で、いつものデートピアらしい、自虐的かつ斜め上を行く様かと思っていました。
しかし、もう少し考えてみると、もう少し深い意味があるのでは?と思い始めました。
以下このアルバムの収録曲とその元ネタを思いつくまま並べてみました。中にはそれほど似てないというものもあるかもしれませんが、同じようなスタイルという意味も含んでいます。また、これ以外にも元ネタ・影響というものはいろいろあると思います。
1. GATE or EXIT
2010年
1969年
2. Discovery
3. WOWTOWN - Terukado曲
2011年
1979年
4. PANAMA
2010年
1991年
1965年
5. DAMAGE
6. Umbrella - Airaソロ曲
2003年
1998年
この曲は、筒美京平作曲だったりして関係はさらに複雑。
7. Theme of Safari
8. LAST SONG - Saoriソロ曲
9. Animal Daydream
2009年
1975年
10. Special LINK
ここで言いたいのは、この曲はこんなに過去の曲からパクっているという非難ではありません。
基本的に私は、ポピュラー音楽の革新性や創造性は1960年代後半から70年代前半をピークにして、その後は下落し続けていて、現在の音楽は組み合わせや部分的な改良しかないと考えています。それは日本の音楽にとどまらず、欧米を中心とした世界的にも言えることです。
要は今の音楽は同じ所をぐるぐる回っているだけだと。
以前、Saori@desitnyの音楽が良いといっても、本当に本物の音楽が聴きたかったら音楽専門家のものを聴くというTweetを見かけました。
基本的に現在の音楽が同じ所をぐるぐる回っているだけなら、過去の名曲・名盤を聴くだけで良いし、その方が有益でしょう。それでもなぜ私がSaori@desitnyのライブに行くかというと、それはライブでしか味わえない音楽体験ができるからです。これはアイドル楽曲派に対するある種の批判(曲が良ければパフォーマンスしているアイドルは誰でもよいのか?)に対する反論にもなっていると思います。
さらに言うと、これはアイドルに限らず、現在音楽を生業としている人すべてに対して課せられた状況だと考えています。60年代70年代の名盤にお金を出すのと同じくらいかそれ以上の価値が自分のやっている音楽にあるのだと言えるかどうか。それが問われていると言えます。
デートピア自身がここまで考えて「アイドル周回遅れ」を付けたかどうかは分かりませんけどね(笑)。
- アーティスト: Aira Mitsuki×Saori@destiny
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2011/12/07
- メディア: CD
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