幻の名盤3種類:TEAM MII(チームエムツー)

クルミクロニクル目当てでこのUSTの番組を観ていて、初めて知ったTEAM MII(チームエムツー)。
南波一海のアイドル三十六房〜番外編〜*1
ちらっと聴いた楽曲の素晴らしさに衝撃を受け、東京で唯一の取扱い店舗である「中野ロープウェイ」*2の長期休店明けにさっそく行ってCDをゲットして来ました。

ここで試聴できるので、「とにかく聴け!」と言うしかないのですが。
http://namarecord.com/
CDで聴くと音質が良いせいか楽曲の完成度がさらに実感され完全にノックアウトされております。個人的にはEspecia「Dulce」以来の衝撃です。

TEAM MII自体は解散し、後継のグループもメンバーが脱退したりしているようですが、正直な所、そんなことはこの際どうでもいい。曲の中(特にリードトラック)には、一般向けというかご当地アイドル曲寄りのものもありますが、カップリングされている曲のトンガリ具合が半端ない。

現在リリースされているのは下記の3種類。

NAMA-0001

1.やっぱり君はそうさバッチリさ
2.やっぱり君ともそのうちバイバイ
3.湧玉池便り
4.も☆ちょっと女の子
5.やっぱり君はそうさバッチリさ[Instrumental]
6.やっぱり君ともそのうちバイバイ[Instrumental]
7.湧玉池便り[Off Vocal]
8.も☆ちょっと女の子[Instrumental]


NAMA-0002

1.みんなの富士宮やきそば
2.ゆるメーター
3.ゆうれい商店街
4.みんなの富士宮やきそば[Instrumental]
5.ゆるメーター[Instrumental]
6.ゆうれい商店街[Instrumental]


NAMA-0003

1.わかってよねえ先生
2.ノートブックの私
3.こそばゆいな
4.わかってよねえ先生[Instrumental]
5.ノートブックの私[Instrumental]
6.こそばゆいな[Instrumental]

いくつか特に気に入った曲について解説してみます。

「ノートブックの私」
メロディもアレンジも凝っているけどポップな名曲。「実は鈴木さえ子XTCに一時加入した時に作ったデモが元になっている」と言われても納得する完成度。曲のイメージに合わせて人選しているのだと思いますが、ボーカルが大人っぽくて完成度も高い。


「ゆるメーター」
これも進行やオブリガードにXTCを感じる。ギターとラップの掛け合いが素晴らしい。これをライブでギタリストと生ラップで再現できたら鳥肌ものに違いない。加えてぜひCDで太いシンセベースも聴いていただきたい。「ゆるめる」というヨガ教室ぐらいでしか聞かない言葉の選択も良いし、さらにこの言葉がダブルミーニング・トリプルミーニングになっていることにも注目。


「ゆうれい商店街」
Lipps Inc / Funky Town の中間部を思わせるリフ。「ゆれいしょうてんがい」と思わず口ずさんでしまうポップなサビ。子供の怪談話と、バブル経済の崩壊の跡地かモータリゼーションによる郊外都市の変貌を掛け合わせた社会派テーマのラップも素晴らしい。


「湧玉池便り」
シューゲイザーというか、後期SUPERCARか。こんな音がアイドルイベントのPAが出てきたら、たちまちそこは異次元空間。


全曲作詞作曲、おそらくアレンジと演奏も全て石田彰(Ishida Akira)*3さんという方が担当されています。
歌詞については、歌い手が書いたものを素材に作詞しているとのこと。*4個人的には幼い声のボーカルはあまり好きではないのですが、石田さんの曲には違和感がありません。歌詞の内容も子供の声で歌う必然性が感じられます。アイドル曲で楽曲のクオリティがだけが非常に高い場合、「やらされてる感」を感じるものがあります。そこが逆に魅力的に感じられることも多いのですが、石田さんの曲の場合は、それより更に高い次元での「融合」を感じられます。

残念ながら、上記の気に入った曲のライブ動画はネットで見つけることができませんでした。
TEAM MIIの後継グループの3776(みななろ)にもこの調子で楽曲提供されていくのか?
石田さんは他にどんな音楽活動をされているのか?
注目していきたいと思います。