ライブレポート:2014/6/22、3776(みななろ)定期公演、富士山世界遺産登録1周年、2nd, 3rd CD発売日

CDにパッケージされた楽曲の魅力だけでは3776を語ったことにはならない。「楽曲派にとって最高峰」3776は「楽曲派の限界」をも示している。そこで6月22日のイベントについて出来るだけ客観的に記録を残しておく事にもそれなりの意味があると思う。

6月22日は新作CDのリリースという、それだけで十分な意味を持っていた日のはずった。しかし、数日直前に、公式Twitterおよび公式HPで「いろいろ悲しいお知らせ」と題して衝撃な発表がなされた。れなの脱退とひなの謹慎である。

後者は以前不穏なtweetがあったので、何かしらの動きがあると思われていたが、前者は全く寝耳に水であった。

私は詳細な情報は何も持っていないが、この半年間3776の現場を10回弱ほど観てきた限りでは今回のようなことが起こる兆候は全く感じられなかった。

この日は1週前の天気予報から降水確率が70%ほどの予想が続いていた。本来は待望の新作CDリリースで楽しみな気持ちでいっぱいのはずだったが、いつもなら見える富士山も見えない道中、どこか重苦しい気持ちを持ったまま富士宮に向かった。

雨天でなければ会場となっていた「花と食の元気広場」に集合した40名ほどのオタは、雨の中、スタッフに先導されて、そこから徒歩で5分ほどの会場Fujivision(富士宮市民交流会館西館)に向かった。

通常3776のライブは撮影が自由なのだが、入場前、この日は遠慮してくれとのスタッフからの異例のお願いがあった。さらに緊張が高まる。


そこはライブハウスでもない、市民用のレンタルスペースという感じの場所であった。幼稚園の大きめの教室のようなフローリングの床。ステージとして空けられたスペーウの左右にライブ用のスピーカが置かれ、前列4列ほどに座布団が敷かれ、その後ろに長椅子が4列ほど並べられていた。

今日のメンバーは、まり、れな、ちよの、すみれの4人。
始まるとまずは自己紹介の後、「今日は何の日ですか?」と観客に向かって問いかける。「今話題なのは?」「世間でみんな知っている」と言われると、私を含む会場の大人達は「いろいろ悲しいお知らせ」のことしか頭に浮かんでいなかったに違いない。

答えは、富士山の世界遺産登録1周年ということで、「富士山に向かってありがとう」という決めの3776ポーズ。私にとっては、半年前に始めて元気広場で3776を観たとき以来だ。その時は3776のライブ自体が初体験だったので、「さすが富士山のご当地アイドル」と軽い衝撃を受けたものだ(笑)。メンバーからProducerの石田さんにそのポーズの説明がなぜか振られ、メンバーが後ろで立っている観客にやらせようとするが何かグダグダ。半年前と変わらない3776らしさ(笑)。

そして、1曲目、「私の世界遺産」を披露。ちなみにこの日のライブもそうだが、元気広場でのライブではオタ芸的なものはあまり見られない。地元でもアウェイな場所や対バンの時に、(対バン側の?)ファン側があえてやっている感じがする。

MC:新作CD発表の告知。2枚の収録曲順が発表された。

今までライブで披露されてきた6曲の新曲の、2種類のCDでの収録の順番を当てるというクイズが1ヶ月前からキャンペーンとして実施されていた。正解者が1名。さらに大胆な予想をした人がチャレンジャー賞として当選。そもそもこのクイズに応募した人は先月5月の定期公演に来た人とほとんど同数だから(複数枚買う人はあまりいないようなので)、今日の観客数と同じか少ないはず。当選者がいたこと自体に感心する。

2曲目「心配のタネ」
まりりん、れなの体制。歌詞が染みる。

3曲目「序曲」
れな抜きの3人でのパフォーマンス。

MC:これからも富士山といい感じでつき合っていきたいという、まりのナイスなまとめ。

4曲目「きみと一緒にのぼりたい」

曲の前に、最後の曲というのを忘れたようで、ここまでで本編が終了。


石田さんが登場した。元気広場でやる時はここで終わる予定だったとの事。運営タイムになりますと話し始めた。あまり話は上手くない。ちょっとたどたどしく話を始める。メンバーはステージ上手の椅子に座って待機。

まず、ひなの謹慎について。矛盾するようだがと前置きして、石田さんは「ひなは全然悪くない」と明言した。そして、あるエピソードを紹介した。少し前に実際にあった事件。教会に勤めていた、あるおばあさんが歴史的に価値がある絵画をよかれと思って自分で勝手に修復した。(文化財保護の観点から非難されたが)「そのおばあさんは悪くない。」「(同様かどうかはともかく)ひなも悪くない。」

話をしている途中でのどが乾いたのか捌けていいですかといってメンバーが捌ける。
すぐ話は終わって、石田さんがメンバーをステージに呼び戻す。本当に行くとは思わなかったとポロリとこぼす。本当にゆるい感じなのである。


続いて、れなの最後に贈る歌ということで、石田さんはギターの弾き語りを披露した。
Bump Of Chicken 「涙のふるさと」
実は私は石田さんが歌うのを全く別のところで聴いた事があったので、そんなに驚かなかったが、本来ならもっとビックリしていただろう。熱の入った歌いっぷりだった。


その後、もう曲は用意していないので、アンコールの曲のリクエストを募る事になった。まず客席からあがった曲は「みにきて!」。まりとれなの2人体制。最近やっていないと、れなは少しテンパリながら曲がスタートする。


曲が終わった後、もう1曲ぐらいとリクエストを募ったが、まとまらず。最終的に石田さんが選曲。れなもTeam M2からのメンバーであることにちなんで、Team M2の一番最初の曲「やっぱり君はそうさばっちりさ」。


曲が終わり、段取り的には完全に終わりだったが、最後にメンバーかられなに花束贈呈があった。


石田さんが「それ(メンバーからの一言)は楽屋でやろうか?ここじゃいやでしょ?」と気を利かせたつもりだったが「(ここで)言って」と、れな。ツンデレというか天然というか。場内も和む。

そして、すみれから順番に一言ずつ。

ちよのからの一言の途中で、れなが涙を見せないようにか、後ろを向いてしまい、最後にはステージから楽屋への幕の裏側に行ってしまった。ステージからも客席からも中の様子は全く見えない。

ちよのは、幕の裏側に向かって話しかける。
観客爆笑。


そのうち、ちよのも幕の向こう側に行ってしまい、また観客爆笑。
ステージ上も観客も置いてけぼりの状況になった。


奥から時々聞こえてくる涙声に、観客席からの暖かい爆笑と拍手。なんとも3776らしい良い意味でぐだぐだの展開となった。


それでも、まりは声だけでも何とか内容が分かる挨拶でリーダーらしく締めた。


れなはすっかり奥に引っ込んだまま、他のメンバーはステージと幕の間に位置しながら。

メンバー「では石田さんからも一言」
石田「そこまで締めておいて(言わせるの)?」
メンバー「れなちゃんもそう言ってます」
石田「だから、それは代わりにさっき歌ったんじゃない」
観客:爆笑


れな「石田さん泣いてる?」
メンバー「泣いてませーん」
れな「あ〜あっ」
観客:爆笑

始まる前の重苦しい緊張感などある意味ふっ飛んでしまった。


その後物販。いつもより長い長いチェキの列がまだ残る中、待望のCDを購入した私は、富士宮を後にした。

場所はここ。上記の幕の位置が分かると思う。