「フェリーズ」は始まりにしか過ぎなかった!「尾道系」の大本命「ストレート & パーマー」登場!

尾道系」と言ってもラーメンのことではありません。
「フェリーズ(Ferrys)」はもう知っている前提にしたいけど(笑)、さすがにそうは行かないので簡潔に。

尾道で2013年春に誕生した渡船を愛する女性ユニット。
尾道在住のヨーコとマチルダの二人組。
https://www.facebook.com/ferrys.onomichi
https://twitter.com/ferrysonomichi

知らない人は曲を聴いてもらうしかない。

シンプルで洗練されたアレンジ、重厚なベース、キャッチーなメロディ。誰が曲を作っているのか気になっていました。


入りの「尾道クルージング[Tatsu Mihara REMIX]」のカッコ良さと、その次の「やっぱり渡船」のスカスカなローファイぶりの落差が凄い!(笑)。このライブ、画質は良いのだが、朝早かったせいか、伝説のライブ・京都I博の時よりは、フロアも含めてテンションがやや低いようです。
真ん中にいるDJなのか、MCなのか、ラッパーなのかよく分からないおじさんが、フェリーズのサウンドプロデューサ、尾道在住のkeikiさんです。
そのkeikiさんがピアノ、同じく尾道在住の永井真介さんがギターを担当するユニットが「ストレート&パーマー」。その1stアルバムが大傑作。

待望のストレート&パーマーの1stアルバム 2015年1月24日リリース!!
Straight & Palmer "1st"
  01 Headphone
  02 なにげない日で
  03 アシバヤナナツ
  04 尾道ウォーキング
  05 GOOD TIME
  06 新しい毎日
  07 スパゲッティナポリタン
  08 古寺めぐり
  09 こころの景色
  10 instrumental
全10曲 40min 1500yen

http://music.geocities.jp/jimonorecords/keikihistry.html

フェリーズにも通じる、厳選された音だけで構成された音像。ECMのコンセプト「静寂の次に美しい音」をもじって、「尾道の生活音の次に自然で美しい音」じゃないかと、尾道を訪れたことがない私は思いを巡らしております。ジャケットもECMのカタログにひっそり並んでいても違和感がないセンスの良さ。
一方、ビートルズボサノヴァ、ブルース、ジャズ、ソフトロック等を自然に消化して血肉化した楽曲群は、小難しい所を一切感じないキャチーさがある。そして、keikiさんの声は、さかいゆう永積タカシスガシカオを足して3で割ったような素晴らしい声だ。
1曲目「Headphone」は、ピアノの手弾きループにkeikiさんの声が乗り、永井さんのギターがハーモニクスで花を添え、ドラムが必要最小限の音をシャープに響かせる。keikiさん作詞作曲。2曲目「なにげない日で」は、永井さんが作詞作曲でメインボーカル。keikiさんとは対照的に永井さんの声はちょっと斉藤和義を思い出すブルージィ系。
このように、ピアノとギターという担当楽器の違い、声質の違い、そのうえ、2人の優れたソングライターの存在が、アルバムの奥行きを豊かなものにしている。さらに、3人目のメンバー、小林伊吹さんがタイトというよりシャープなドラムを披露して、これがまた素晴らしい。


この曲はアルバムに入っていません。keikiさんと永井さんは、バンド時代も含めて付き合いは古いようで、そのバンド「JIMONOLIVE」の音源も聴いてみましたが、この動画のように昔の方がややSSW色が強いようです。個人的には「いわゆるSSW」色を超越した「Straight & Palmer "1st"」の方が好きです。

フェリーズの2人と、キーボードのkeikiさん、ギターの永井真介さん、ドラムはおそらく小林伊吹さんの生バンド・フェリーズ。ぜひ生のライブを観たい。

何気にクラーベを叩くヨーコさん、得点高いです(笑)。

というわけで、ストレート&パーマーの1stアルバム Straight & Palmer "1st" は、2015年邦楽ベストアルバム候補を新川忠さん「Paintings of Lights」と共に先頭を走っております。