かつて私は"Pet Sounds"が分からなかった
昔、私はオーディオマニアと呼ばれる人に偏見を持ってました。(そもそも現在オーディオマニアって人々がどれくらいいらっしゃるのか良く分かりませんが)「アンプやスピーカーなんかの機材にやたらこだわっているくせに、聴いている音楽自体はしょぼい」みたいな。「大事なのは機材じゃなくて音楽そのものだろう?」みたいな。
自分の可処分所得、その中でも音楽に費やせるお金には当然限りがあるので、そのなかでできるだけCDを買う。一方、再生環境は倹約して、平均してちょっといいCDラジカセレベル、ひどい時は、PCのCDドライブでスピーカーも付属の物という感じでした。
自分の聴いている音楽の幅はいつも拡げたいと思っていたので、ガイドブック的なものも参考にしてCDを購入してきたのですが、そういう中で、出会ったアルバムに"The Beach Boys"の"Pet Sounds"があります。
- アーティスト: ビーチ・ボーイズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: CD
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元々ロックはアメリカンよりブリティッシュ(UKロック)だろうと思ってたので、これを買ったのも年齢的に遅かったのですが、最初は良さが全然分かりませんでした。全然ポップじゃないし、みんな同じような曲に聴こえるし(笑)。なんでこれがローリング・ストーン誌で史上2位のアルバムなのか、理解不能でした。
しかし、それから半年ぐらいして聴き直してみたら、これが良かったんですよね。頭で理解したんじゃなくて体験で分かった感じ。暗黒の深海の中みたいで、少し狂気的な怖さもしますが、いつの間にかCDに合わせて歌ってる(笑)。
最初に聞いた頃と何が変わったかと言うと、CDの再生環境です。しょぼいCDラジカセから、PCにオーディオインターフェースと専用のモニタスピーカーを導入していたんです。特にベースなどの低音の出が以前と全然違ってました。
そうか音質も大事なんだな。特にベースを聴いてないとその曲のハーモニーを聴いている事にならないんだあ。と教訓を得たわけです。以降私の音楽の聴き方が変わりました。